ひまわり園では毎月全体学習会を開催しています。

11月の学習テーマは「感染症対策」です。

いつもなら保健所や医療機関の方を講師にお招きするところですが、今回は趣向をかえて、他施設での取り組みを知る機会にしてはどうかと考えました。

今回、講師を依頼したのは佐田町にある「特別養護老人ホームやまゆり苑」様です。

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やまゆり苑様は、佐田町全域の高齢者福祉を支えるため、既成概念にとらわれず地域の実情に応じた様々な取り組みを進めておられます。

毎年地域住民や行政関係者を施設に招き、介護実践発表会を開催しておられることでも有名です。

折角なので、今回は感染症対策と看取りケアの2本立てで講演していただくことにしました。

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まず最初の講演は「感染症対策」です。講師は看護師の竹下様です。

これからの時期に心配なのはノロウイルスの流行です。実際に現場で使用している感染症対策キットが紹介されました。

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その他、感染症対策の専門委員会が開催している研修会の内容・開催回数であったり、介護職員に周知するための工夫やマニュアルの整備等、全職種が協力して取り組むための仕掛けづくりに努力されている様子がうかがえました。

各所の手洗い場に我電創水機(除菌水を精製する機械)を設置したことで、あちこちに消毒液を置いたり補充したりする手間が省けたという情報も参考になりました。

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続いては、「看取りケア」の講演です。講師は介護支援専門員の藤原様です。

私たち高齢者福祉を担う者にとって、避けては通れない看取りの場面。生活の延長線上に「死」がある・・・とはよく聞くものの、その理解や解釈については人によって様々でしょう。

ひまわり園でも施設での看取りの経験はありますが、その経験を改めて検証したり、課題を次に活かすための話し合いが十分に為されないまま、日々の忙しさに流されているように思います。

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やまゆり苑様では、看取りケア委員会を組織し、実に8年間の歳月をかけてケースの検証を重ねてこられました。

人生のステージを4つに分ける基準、そのステージに応じた各専門職のケアマニュアル、看取りケア終了後の評価基準、入居者の意向聞き取り活動、ビハーラ活動、物故者供養祭、職員研修、地域への発表・・・等々、単純に「看取りの場面限定」ではなく、「普段の生活の質向上なくして看取りの質向上なし」の考えが貫かれているように感じました。

検証と議論の積み重ねなくして、ここまでの事はできなかったでしょう。忙しさに流されず愚直に取り組みを続けてこられたことに感服しました。

 

といわけでボリュームたっぷり、お腹一杯の学習会でした。

ご多忙の中、講師としてお勤めいただいた竹下様、藤原様。そして快く講師の派遣にご承諾いただいた施設長様に、重ねてお礼申し上げます。

これに懲りず、またお話を聞かせてください。