ことぶき福祉会様にお邪魔しました

園長です。

台風10号が過ぎ去り、暑さが幾分落ち着いたように感じます。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私は今日も恥をさらしながら元気に生きております。

 

さて、恒例の「園長と行く施設見学ツアー」ですが、今年度も企画しました。

今回お邪魔したのは、社会福祉法人ことぶき福祉会様になります。

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余談ですが、ひまわり園も何だかんだで築38年目を迎え、建物も設備もあちこち傷んできています。ここ数年、やれ大型改修だわ建替えだわ議論しているのですが、どうも私はこの話にあまり“ときめき”を感じていないのです。

建物を新しくして、無難に借金を完済できるよう運営していく・・・ってだけでは、どうもロマンが感じられない。建物ありきの話ではなく、これから先の福祉はどうあるべきなのか、私たちは何を目指していくのか、このあたりがボンヤリしているように思うのです。

こんなモヤモヤが、ここに行けば少し晴れるのではないかなと。そんな下心もあってお邪魔した次第です。

 

ではでは、まずはグループホームとデイサービスが一体になっている笑庵ことぶきからご紹介しましょう。

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何といっても

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建物・住空間のデザインが 

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めちゃめちゃ好みですね。

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個人情報の関係で人のいらっしゃる所は撮影していないのですが、グループホームとデイサービスの境界を感じさせない空間ですね。縁側もあるし、居室の建具も凝っていて素敵でした。

デイサービスには「お泊り機能」がついているだけでなく、利用時間も幅広く、希望すれば配食弁当や朝食・夕食も手配してもらえます。

宿泊の受付も当日でOKというのだから、これは利用する方にとって大きな安心感です。ちょっとしたニーズに即対応する懐の深さ。これぞ小規模ケアですね~。

介護保険制度という土俵でやろうとすると、ルールが厳格すぎてちょっとしたことにも判断に時間がかかったり、これ以上手が出せないとジレンマを抱えることが多々ありますが、制度の枠から外れるとこんなにも自由なのかと改めて驚きました。

 

続いては、かねてより興味津々だった小地域相互ケアホームことぶきの里へ。

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この交流棟を中心に、9棟の戸建て住居(1LDK~3LDK)が並んでいます。

ここで暮らしていらっしゃる方々は、3歳~90歳超!と実に幅広く、戸建てなのでそれぞれの世帯のプライバシーが完全に守られています。アパートのような建物にすれば効率よく多くの住居を作ることができますが、そうしなかったところにこだわりを感じます。

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お独り暮らしの女性の住宅へお邪魔しました。

住居には壁にこんなボタンが備え付けられています。左の「相談」を押せば交流棟やグループホームに繋がります。

右の「緊急」ボタンを押せば、交流棟やグループホームだけでなく、隣接する住宅にも一斉放送が流れます。つまり、職員だけでなく、いざとなれば近隣住民も駆けつけてくれるということですね。これも小地域相互ケアホームの大事なコンセプトの一つでしょう。

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小地域相互ケアホームとグループホームの間には公園があり、遊具が整備されています。天気が良ければ近隣の子供たちが遊びに集うのだそうです。

 

長年にわたり高齢者福祉に携われた槻谷理事長ですが、人の心身の状態や経済事情等によって、施設入所先が決められる「分類入所システム」が古くから踏襲されていることに強く疑問を感じておられました。

こうした問題意識から、高齢者や障がい者、同居する家族等が離ればなれにならずに暮らせる方法がないものかと構想を練ってこられたようです。

最近、ノーマライゼーションという言葉をあまり聞かなくなりましたが、その実現への一つの解が、この小地域相互ケアホームだったのではないでしょうか。

 

一年先の情勢を見極めるのも困難な時代。現実を語る人は多いが、夢を語れる人は少ないわけでして。

理事長様はじめご対応いただいた皆さま、貴重なお話の機会をいただきありがとうございました。