西部島根医療福祉センター編

ということで、いよいよ本題の施設見学です。

ひまわり園の厨房職員と共に行ってまいりました。

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外観ではピンとこないと思いますが、この建物、病院と福祉施設が一体となっていて、縦に横に奥にととても広大です。

CTやMRIも当然のようにあり、整形から歯科口腔外科、小児外科、内科、循環器内科、消化器内科・・・〇△✕!と書き切れないほど診療科が充実しています。

重度心身障害児の親御さんも、この手厚い環境には安心しますよね。

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見学には花田総務課長様と佐藤管理栄養士様にご対応いただきました。

広大な建物を計画的に増改築しておられ、山陰でも有数の規模となる厨房設備がありました。

ひまわり園の倍はあるんじゃないかな?

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ピカピカで超衛生的。

厨房職員2名はこのあと実際に中に入らせていただいて、「なめらか食」の調理工程を見学しました。

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私たちは無意識にご飯を食べているのですが、口の中では複雑な動きを繰り返しています。

食物を噛んで砕く機能や、口の中で食塊にまとめる機能、それを飲み込む機能、これらのどの部分で機能低下が起こっているかによって、用意する食事形態も変えていく必要があります。

昔は食べ物を「きざむ」か「ミキサーにかける」しか方法がなかったのですが、ペースト状にしたものを再形成することにより、見た目をもとの食事に近づけることができます。これが西部医療福祉センター様が得意とする『なめらか食』です。

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ひまわり園でも同様の『ソフト食』を提供していますが、西部医療福祉センター様は見た目のクオリティが高く、過去にお寿司のなめらか食で嚥下食レシピ大賞を受賞しておられます。

 

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これはサンプルでいただいたものですが、右の器は『肉うどん』です。

これ、食べてびっくりですよ。口の中でひろがる味は完全に「うどん」でした。こういっちゃ何ですが、普通にうまいのです。

麺、肉、かまぼこ、だし・・・それぞれを別々に成型し、同じ器の中で組み合わせると、「うどん」になるのです。

うどんになったものをそのままミキサーにかけて成型すると、こんな味にはなりません。手間が数倍かかる方法ですが、やはり料理は手間をかけることが大事だと気付かされます。

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ちょうどクリスマスシーズンでしたので、施設内はさまざま所で飾り付けがしてありました。やっぱりお子様が多いので、こういうワクワクする演出は大事ですよね。

私が個人的に興味があったのは、この施設の専門職の充実ぶりです。看護職員と支援員だけでなく、リハビリの専門職である理学療法士、作業療法士、そして言語聴覚士が配置されています。

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言語聴覚士様にお話しをうかがい、更には外来の見学までさせていただきました。

うちの施設にもセラピストがいれば・・・と思い悩んで早十数年。いろいろ課題はありますが、私の中で確信を得ることができた施設見学でした。

 

それにしても、高齢者福祉に関してはそれなりに詳しいつもりでしたが、福祉分野が変わるとこんなにも知らないことがあるのだと。まだまだ施設長と名乗る器じゃないなと思ったり・・・。

うちの厨房職員達もたくさんの刺激を受けたようですし、いい勉強をさせていただきました。西部島根医療福祉センターの皆さま、この度は誠にありがとうございました。