2017年8月29日(木)午後1時30分

入居者自治会『めぐみの会』総会にて、会長より重大な提案がなされました。

「今年度をもって、めぐみの会を解散したいと思う」

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『めぐみの会』とは、特別養護老人ホームひまわり園で暮らす入居者の自治組織です。ひまわり園開設後しばらくして発足し、ふり返れば30年以上の歴史があります。

ひまわり園での暮らしをよりよくするため、「入居者が施設の運営に意見する組織」という位置づけでした。

当時は措置制度の時代。お元気な方も多く、施設内はさまざまな人間模様があり、何と会長就任をめぐり派閥争いも熾烈だったとか。

月1回の常会では、食事に関する手厳しい意見や、余暇活動への注文、外出先の要望等があがり、その意見は施設職員に伝えられ、それに基づいて年間の行事企画が決められていました。

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(園長からめぐみの会の歴史について説明)

しかし、時の流れには勝てません。年齢を重ねるうちに次第に心身の機能が低下、現在入居者の方々の平均要介護度は4.3という状況です。

めぐみの会の自主運営が難しくなり、職員が事務局となってお手伝いを続けてきましたが、常会を開いても発言は減り、事の経緯を覚えておられる方もわずかとなり、「自治会」としての存続が危ぶまれていました。

自治会としての活動が減ったことで、会費の繰越金が年々増えていったことも、「解散」を検討するに至った理由です。

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 「解散に賛成の方は挙手をお願いします」

・・・。

そうです。耳が遠くて聞き取れない方も多いのです。

14時過ぎ、賛成多数により、来年3月31日をもってめぐみの会の解散が決定しました。

 

施設運営をする上で、こだわりを持って続けてきたことが、また一つ幕を下ろしました。一抹の寂しさを覚えます。

ですが、めぐみの会が教えてくれた「暮らしているのはお前たち(職員)じゃない、俺たちなんだぞ!ちゃんと俺たちの考えを聞けよ!」というマインドは、これからも胸に留めていきます。

さようなら そしてありがとう めぐみの会。

 

P.S.

ちなみに、「めぐみの会」の名称は「お恵みちょうだい」から来ているそうです。

美談が台無しですなぁ。