例年3月中旬ともなれば、高校入試も終え、春の日差しのなかで、開放感いっぱいの中学生の群れを目にしますが、今年はこの時期まで寒気が留まっていた気象のせいか、神西コミュニティーセンターに向かう車窓からは、そのような中学生は見受けられませんでした。

 私は学校や学年の区切りを終えた春休みに、彼らが何気に集まり、これまでの開放感とこれからの高揚感が錯綜するなか、無邪気に遊ぶ姿を見ると、やたらと感極まってくるものがあります。今も昔も変わらない、桜の時期の光景の一つじゃないでしょうか。

さくら1

 さて、昨年の10月中旬に野津神西自治協会会長が来園され、藪から棒に「神西は古くから福祉の街だ!」と言われました。その意図するところはさておき、実は3つの福祉施設もかねてから同じ思いを寄せていましたので、即答で「是非、相互の思いを一つにできないでしょうか?」と切り返しました。

 一週間後に再会したときは野津会長より「今度、神西の関係諸団体と福祉施設との連絡会議を立ち上げよう!」と提案され、その一週間後の10月末には「神西なめさ会」を立ち上げられました。

 普通この手の連絡会議はこのあたりで模様眺めとなるんですが、野津会長の猪突猛進パワーはここからが真骨頂で、12月初旬には3施設等を招集され、仮称「神西福祉フォーラム」が野津会長より提起され、その場で実行委員会を編成されました。この間、4回の実行委員会を精力的に持たれ、来る3月12日に「福祉フォーラムin神西」が100名弱の参加者のもとに開催されました。

福祉フォーラムin神西

 出雲市社会福祉協議会の川瀬常務より基調報告を受け、養護学校、3福祉施設、神西社協及び民生児童委員代表より現況報告と課題等を発表して貰い、最後に「神西地区における私たちの地域貢献活動」が集会アピールという形で読み上げられ、無事に終了しました。

福祉フォーラムin神西2

 わずか半年で、神西自治協会、地区社協、地元各種団体及び学校・福祉施設等が同じスタートラインに着くことが出来たのは、野津会長をはじめ地元神西の関係者のお力添えのおかげと、深く感謝しております。

 実は半年前までは神西コミュニティセンターの敷居が高く、近寄りがたい場所でしたが、フォーラム以降もしょっちゅう出入りすることになり、実は今日の午前中も4月の神西地区社協の総会のことで打ち合わせに行ってきました。

 同じ神西という地区に住んでいたり仕事をしたりしていても、儀礼的なお付き合いだけでは「いざ」というときには何の役にも立たないと思い知らされました。

 野津会長は何かにつけ「俺はもう後期高齢者だ!」と言われますが、わずか半年で「神西を福祉の街」に一歩近づけた功労者の一人として、まだまだ老け込まないで頑張ってもらわなくてはならない存在です。

 これからの神西の地域福祉について、野津さんだけでなく社協・民児協の会長やセンター長そしてチーフの方々と天真爛漫に語り合えることを、ワクワクしながら期待しています。半世紀も前に、桜のもとで戯れあった童心のように・・・。いくつになってもこのようなときめきは忘れずにいたいものです。(敬称略のご無礼をお許しください)

園長 常陸 実